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第9話「そして恋はまた廻る」

 ――二年六組、高嶺美華。


 程よく化粧の乗った肌、美しく整えられたまつ毛、見る者の目を惹くアヒル口。


 “縦に長く、横に細い”をポリシーとする彼女の体型は、そのポリシーに違わずスレンダーなものである。


 栗藤つむぎが元に戻りでもしない限り、学校一の美女の座は間違いなく彼女のものであった。



「ああ〜! クソックソックソックソッ!! 腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ!!!」


 その高嶺美華は、激昂していた。


 右足に履いたローファーで地面を蹴りつけ、拾い上げた小石を思い切り放り投げる。


「あ、あんの野郎〜……!! この私を振りやがるたあ良い度胸してるじゃねーか……!!!」


 高嶺は右拳に力を込め、ギリギリと歯を軋ませた。


 遡る事、五分程前。


 彼女が何よりの誇りとしていた“一度も異性に振られた事が無い”時間連続記録は、十四万三千八百八時間でストップした。


「ああーっ、くそ〜……!! 考えれば考える程憎たらしい!!!」


 高嶺は右手で思い切りコンクリートの壁を殴りつけ、少し間を置いた後、清涼飲水の入ったペットボトルで右手を冷やした。


(じ、人生最悪の日だわ……!!)


 高嶺は右手に絆創膏を貼りながら、考える。


(さっさと新しい男でも見つけて憂さ晴らししないと、高血圧で倒れちゃう)


 絆創膏のゴミをクシャクシャに丸めながらバス停の前の横断歩道を渡ろうとすると、両耳にイヤホンをつけてバス停に並ぶ槇原の姿を視界に捉えた。

 


「……ワーオ……」



 高嶺美華は眉を細め、薄っすらと笑みを浮かべた。

待っていてくれた方、いらっしゃるでしょうか。

連載再開いたします。

第1弾更新分以上に皆さんの期待に応えられる様頑張りますので、是非また応援よろしくお願い致します。

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