ちいさな宇宙
換気扇の音が部屋を満たして
鼻に残る洗剤の香り
指からは
さっき切った玉ねぎの匂いと
煙草の匂い
テレビの音は遠く
世界から
ここだけが離れているような
そんな気配
窓をあけて
空気を変えようとした
変わらない
逃げてかない
停滞しているこの部屋で
未来のこの身は
何を思い
何を感じ
どう死んでいくのか
静かに身を任せる
それしかできない
それがただしい
携帯の明かりを見つめる
その私自身をみつめる
何が見える?
何が聞こえる?
宇宙でひとり
孤独をたのしむ
そんな雨の日