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人生がバグ  作者: レマホ宇都肩
1/2

スハイムのタイアタリ


「はぁ はぁ はぁ」


そこは広い草原。紅く今にも燃えてしまいそうな暑さをかもしだす太陽。


俺【西河(にしかわ) 啓介(けいすけ)】は今スハイムという初級モンスター3体に囲まれ短剣を持ち戦っている。



異世界(ここ)】に来て初期ステータスを確認すると


――――――――――――――――

【西河 啓介】

レベル:2

体力:5

攻撃力:0

防御力:-5000

回避性能:10000

魔力:0

マジックポイント:10000

魔法:なし

スキル:俊足

――――――――――――――――


と、なっていた。


この世界のステータス最大値が10000とされるなか俺のステータスは何故かレベル2の時点ですでに最大値をいくものがいくつもあった。

・・・おかしい

この時点で、俺は気付いた。


この世界が狂っていることに。



俺は歩いていると初級モンスター【スハイム】1体と出会う。


戦いになるも、【攻撃力0】の俺は普通攻撃ではダメージを与えることが出来ない。

ただ、【回避性能10000】の俺ははただスハイムの攻撃を避け続ける事は出来る。

ではどうやって勝つのか?


俺の攻撃がクリティカルアタックになるまでスハイムの攻撃を全て避けるのだ。


クリティカルアタックとは発生する確立こそ低いものの、発生したときのダメージは自分のレベルの数だけ追加される。

今俺のレベルは2だ。クリティカルアタックがでた場合ダメージは2プラスとなる。

スハイムの体力は2。クリティカルアタックが出れば一撃だ。


スハイムの体当たりを避け続け、奇跡は起きた。

クリティカルアタックが炸裂。

スハイムは2のダメージを負い光エフェクトと共に消滅。


ドロップアイテム:【魔法冷水】 を獲得


1時間の長期戦のもと勝利にこぎつけた。


スハイム1体を倒すとレベルが1つあがり3になる

が、ステータスは魔力0が1に変わっただけ。

体力、攻撃力、もちろん防御力も。

どれも1つも上がらない。


ステータスの最小値は0のはずなのに防御力だけ-5000ともう意味がわからない。


「ウィンドウオープン」


こう唱える事によってアイテムウィンドウは開かれる。

開かれたアイテムウィンドウには【魔法冷水】とかかれたアイテムが1つ。


【魔法冷水】:自分のマジックポイントを10上げることが出来る


そう効果が表記された【魔法冷水】


――――――――最悪の事態を考えながらその【魔法冷水】を開け飲む。 虹色の液体のそれはなんだか甘くて不思議な味だ。


いっきに飲み、アイテムが消滅する。


予想通り。


[マジックポイントは既に最大値のため上げることが出来ません]


と、頭上に文字が浮かび上がってくるだけ。


効果は無く、俺に与えたのは[美味しさ]と言う一時の幸せだけだった。


俺は思う





――――この世界、(バグ)ってやがる――――




と。




――――目を開けるとそこは暗闇に包まれていた。


夢の中だろうか

回りを見渡しても誰もいない。

いるのは自分ただ一人。

誰もいないはずの空間に機械のような声が響き始め、俺に問いかけてくる。



――――お前は現実世界に飽きたか?

あぁ飽きた。毎日毎晩、独りで過ごすことに――――


――――現実とは違う、もう1つの世界が存在するとしたら?

あるとした俺は産まれる世界を間違えたのだろう――――


――――もう1つの世界【異世界】に行ってみたいか?

存在するなら行ってみたいもんだな。飽きないならな――――


――――最終判断はお前がするんだ

最終判断?何を言っている?――――




そう聞こえた時、俺の目の前には2つ大きな扉が開かれていた。暗闇の中に眩しいほどの光りを放つ扉。もう1つは普通の木の扉。

それぞれ扉の真ん中には文字が書いてある。


光を放つ扉には[異世界への入り口]


木の扉には[現実に戻る]


と。

俺に迷いは無く歩いて光を放つ扉の中へと足を踏み入れる。


――――異世界にようこそ


再び機械のような声が聞こえたその瞬間、俺の意識は次第に薄れていきその場に崩れ倒れる。


次の瞬間、目を覚ますとそこは見たこともない草原が大きく広がっていた。

俺は異世界に来たという実感がわかなかった。


俺は大の字になって転び雲1つない空を眺め紅く暑い太陽に照りつけられている。

起き上がると横には小さな紙切れが置いてありアイテムウィンドウの開き方、自分のステータスやらコマンド説明が記されていた。

その紙に書いてあった通り


「ウィンドウオープン」


と、唱える。

すると目の前に青色の長方形ウィンドウが出現する。

ウィンドウをみると、【木の短剣】を何故か最初から持っており装備する。


効果は・・・


【木の短剣】:素手と変わり無し。デフォルトのみ変更


ただのクソ武器だった。

だが特に装備するものもない俺は装備をするだけし気持ちだけでも強くしておく。

意味は無いものの【木の短剣(ゴミ)】を装備し自分が強くなった気がし、少し浮かれていると【スハイム】3体が出現する。


戦闘が始まる。

スハイム3体の頭上には3体とものステータスが浮かんでいた。


――――――――――――――――

レベル:1

攻撃力:2

防御力:1

回避性能:0

魔力:0

マジックポイント:2

魔法:なし

スキル:空間把握能力

――――――――――――――――


空間把握能力?なんだそれは。

疑問にはかられている俺に考えているのもつかの間【スハイム】の攻撃【体当たり】が迫ってくる

俺は咄嗟に横っ飛びをし【スハイム】1体の【体当たり】を回避。回避し【スハイム】1体の後ろをとった所で【木の短剣】で攻撃するも、やはりダメージは与えられない。


回避した先に待っていたのはもう1体の【体当たり】。


不意をつかれた。


だが回避性能10000の俺に、ましてや初級モンスター【スハイム】のたかが【体当たり】を避けられないはずもなく、軽々と避けてみせる。


もう1体の【スハイム】は何故かピクリとも動かない。固まっている。


スハイム3体と戦い続けること2時間。


「はぁ はぁ はぁ」


俺は2時間避けては【攻撃】を繰り返すが倒せたスハイムは1体。

太陽の光を浴びながら暑い中、疲れていた。


こんな暑い中2時間で1体。


それも倒したのは動かない【スハイム】。

スハイムの【体当たり】を避けた隙に動かない【スハイム】をずっと【木の短剣】で攻撃していると、たまたまクリティカルアタックが炸裂し倒せたのだ。


疲れのあまりスハイムの【体当たり】を避けるのが苦しくなってきていた。

スハイム1体の【体当たり】を俺は慣れたあしつきで回避する。


その時


俺の足はつまずき転んでしまう。


こけた隙を逃がさんとばかりにもう1体の【スハイム】の【体当たり】が俺に迫ってくる。


――――――――あぁ もう死んじまうのか


【スハイム】の【体当たり】は外れるわけもなく、俺に命中。


体力は0になり意識は薄れていく。

目の前が真っ暗になり俺は 死んだのか と思う。

調子に乗り異世界に来たが1日で『死』か。いまごろ神は笑って馬鹿にしてるだろうよ。


俺はそんな神に語りかける


――――――――あぁ 好きなだけ笑え――――――――


と。



次俺が目を開けた時、そこは知らないベッドの上だった――――





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