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魔導師ルーンと50年  作者: たるもう
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3 行く道は

なんだよこれ……

火、血、倒れている人。


荒い息を整えながら村の入り口に目を向けると、いつもは閉まっているはずの柵が壊されているのが目にはいる。

その側に倒れていたのは、いつも酒を飲みながら適当に門番をしているラグ。

頭が混乱する。


「アゼル……待っ……」


村から上がる煙を見て、突然走り出した俺に追い付こうと無理をしたのであろう。肩で息をする幼馴染に声をかける。

「ラグがやられて、柵も壊されてる。盗賊が襲ってきたのかもしれない。」


「そん……な……」


「イズミ! しっかりしろ」


顔を青くして座り込む幼馴染を強く呼ぶ。ビクリと体を震わせるイズミに生きる残るための指示をだす。

「隣村に行って騎士団を呼んでもらってくれ」

「あんたはどうするのよ。まさか」

「戦ったりはしない、さすがに無理だ。まだ見つかってないやつがいるかもしれないから避難させる」


離れるのを嫌がる幼馴染を立たせ、背中を押す。隣村へ商売に行くことのあるイズミなら迷うことは無いはずだ。彼女の呼び止める声を背中に受けながら、村の中へと走り出した。


―――――――――――――――――――――――――――――


洞窟から出た直後感じたのは、何かが焼ける臭いと誰かを必死に呼ぶような声だった。

注意深く声の方向と煙の方向を探っていく、どうやら両方同じ方向の様だ。


(山の中の悲鳴は盗賊魔物か……どちらにせよ警戒は必要ですね)


声の方へ向かうなら敵か味方か分からない者に対して、何かしら攻撃手段を持っている方が良いとは思う。が、今は魔法に頼ることは出来ない。洞窟の岩相手なら熱が出るだけで済んだが森の中や人相手では災害のようになってしまう。

元々戦闘を好まないので殺すなんてことは考えておらず、何とか無力化する方法を考える。

立ち止まらぬように足を動かしながら思案していたのだが、ふと、枯れ枝に目がとまる。

「杖……いいかもしれませんね」

手頃な枯れ枝を拾うと近くで聞こえる声に向かっていった。


読んでいただきありがとうございます。

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