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魔導師ルーンと50年  作者: たるもう
3/4

2 能力確認

不定期&短いです。

洞窟の中にて


「まいった」

状況を理解するべく考えはじめてから二時間ほどたった。体の冷えも限界に近づいているので魔法で体を暖めることを優先したのだが・・・・・・

「制御が効かない」

表面上だけでも落ち着こうと言葉を吐き出す。


目の前にあるのは蒸気を上げている岩。向こう側の景色が揺らいでいるため、かなりの温度になっていることがわかる。確かに体は冷えから解放されたが大きな問題が浮上していた。


(落ち着け私! いや、魔導師ルーン! )


本来のルーンは治癒薬研究が専門のため攻撃的な魔法は最低限にして、治癒魔法のことばかり学んできた。

そのため、戦闘魔法である火の魔法はせいぜい小さなかがり火を灯す程度のはずなのだが。結果としてルーンの放った初級魔法は、1メートルほどの岩を高温にする程度の威力を発揮した。

その光景にしばらく唖然としている中、口から思わずでた言葉が「まいった」だった。魔法の制御が効かないことに精神的ダメージを受けたこと。さらに、体の冷えからくる疲れも手伝って暖を取りながら休むことにした。一応ではあるが目的である「暖をとること」には成功したので、細かいことは後で考えることにする。高熱の岩から程よい距離をとりうずくまり、意識を浅く闇にくぐらせていった。


少し時間が経ち、目を開ける。今更になって洞窟全体が淡く発光していることに気がついた。

そんな静寂に包まれた洞窟の中でルーンは思う。

「腹が減ってはなんとやらですかね。」

空腹を訴える自分の腹に手を当て、何度目かのため息をつく。

(気分も悪くない、体も動く、おなかも減りましたし外に出るべきですね。)

いよいよこの未知の洞窟を脱出することに決めた。現在地が全く分からないため、外がどのような状況になっているか分からない。もっとも、封印がかかっていた期間がどのくらいか不明なために知っている情報も役に立つかは分からないのだが。


「どちらにしようかなっと」

自分が建っている場所から前後に繋がっている道を見て呟く。

本来なら探査に使う魔法を使えばすぐに出口へ向えるのだが……

先ほどの初級魔法の威力から推測すると、探査魔法もどうなってしまうか検討が付かないため使えずにいた。進む道を決めあぐねていると、いまだに熱を発している岩がある方角。つまりルーンの前に広がる洞窟の道から何かが爆発するような音と何かの悲鳴が微かに伝わってきた。治癒の研究に携わる者としての本能なのか、悲鳴を耳にした瞬間に前へと走り出していた。




















読んだいただきありがとうございます。

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