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僕の異世界復讐話し  作者: 尚文産商堂


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944/4331

943.

 岩屋が定例会を開いた翌日には、パイースが岩屋の元へと紙の束を持ってきていた。3cmくらいの厚さはあるだろう。それは、全てが岩屋に提出するための報告書だった。

「……もうできたのか」

「ええ。私も、教育は重要だと思っていますので、自主研究という形でしておりましたので」

「そうだったのか」

「はい」

 返事しつつも、岩屋へと報告書の束を渡す。図、画像、それに文章で構成されたその報告書は、とてもよくまとめられていた。ただ、まとめられているからといって、これは作り過ぎだ。岩屋は思いつつも、声に出さずに一気に読み進める。

 速読よりもさらにはやい、瞬読のように、1ページにつき1秒もかけずに岩屋は読み進めていく。本当に読んでもらっているのか心配なのか、パイースが声をかけた。

「あの……」

「ん?」

 読みつつ、岩屋が言う。

「ちゃんと読んでくださっているのでしょうか……」

「ちゃんと読んでるよ。誤字も今まで6か所見つけた。ページと行数はあとで教えてあげよう」

「はぁ」

 何と言えばいいのかわからず、パイースがなんとも気の抜けた声を出す。


 10分かからず、報告書の山はきれいに読み切られた。そして、岩屋は報告書の束に右手を置きつつ、パイースにいう。

「この実施計画書でいこう」

「はいっ」

「それじゃあ、これらの詳細はあと6日でできるよな。ここまでできてるのなら」

「はい、できます」

「それじゃあ、よろしく頼むぞ」

 やおら立ち上がり、岩屋はパイースの手をつかむ。

「この計画、君が頼りのようだからな」

「はい、どこまでも頑張りつくします」

 岩屋へ握り返すと、すぐに手を放す。そして報告書を岩屋のところに置きっぱなしにして、すぐに執務室を後にする。岩屋はその後姿をみて、椅子へと腰かけなおす。

「どうしました」

「いや、彼女は研究熱心だなと思ってな」

 報告書兼計画書の表題は、今後の教育方針について、としてあり、副題としては将来の世代の育成とあった。

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