915/4330
914.
銃を撃った衝撃音で、部屋の中で机に突っ伏している研究員が身じろぎをする。一瞬起きたのかと思ったが、腕枕で寝直した。そもそも起きたという感覚もないだろう。
「撃ちますか」
撃ったのを見てから、シトルンはそれを躱す。そして一歩でサザキがいる保育器のすぐ脇へと動いた。開放式保育器のため、上からライトが当たるぐらいで、蓋はそもそもなかった。そしてサザキを抱きかかえ、岩屋へと言う。
「この子に私が必要だと言うのであれば、あなたは、何を私にしてほしい」
「少なくとも今は、サザキを元に戻してほしい」
岩屋はシトルンにそう返した。




