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「今までどちらに」
岩屋は、丁寧に尋ねる。だが、その声には明らかに怒気が込められていた。サザキに近寄っている元奉王将軍が、何をしでかすか分からず、不安なのだろう。
「世界のあちこちを見に行きましたね。特に、鎮王将軍と護王将軍とはいろいろな話で盛り上がりました」
「ほう、それはそれは。楽しいお茶会となりましたでしょう」
岩屋のことは、きっと分かっている。知っていながらやっている。それが分かるだけに岩屋のストレスは増える。
「さて、我々とともに来ていただけませんか。今なら命は取らないことは約束しましょう。この子の将来のためにも、貴女は必要なのだから」
だが、元奉王将軍は手を下ろしただけだった。




