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910.
サザキがいるはずの部屋は、ドアが閉まっていた。鍵はかかっておらず、さらには中から音がする。岩屋は無言でハンドサインを兵たちに送る。ドアの開く方向に2人配置し、銃を構えさせる。それから別の兵が扉を思いっきり開けた。
「奉国王特殊部隊である、その場に手を置けっ」
電気がついていた。中にいるのは、眠っている人を除くとただ一人。
「いつの日か、来ると思っていましたよ」
そう、元奉王将軍その人である。保育器に近寄っているだけで、何をしていたのかは分からない。ただ、ここで銃を撃つわけにはいかない。運が悪ければ、保育器にあたり、サザキが再び死ぬかもしれないからだ。それを分かっているだけに、元奉王将軍は笑みすら浮かべていた。




