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二人が乗り込み終わると、馬に鞭が入れられ動き出す。それに合わせるようにして、軍楽隊が演奏を始めた。岩屋はその曲名を知らない。だが、勇壮なその行進曲のような音楽は、気分をとても高揚させてくれるものだった。
音楽は遠くになるまで聞こえ続けていた。そして、直城の縁にたどり着くと、城門が開かれる。そこで、歩兵の隊長が岩屋とラグへと礼をしながら告げる。
「奉執将軍閣下、並びに奉葎将軍閣下。我々はここで任を解かれたいと思います。誠に申し訳ございませんが、よろしいでしょうか」
「よい、許可する」
岩屋は型通りに返事をする。ラグも同じ言葉を返す。隊長は敬礼をして、歩兵全員を連れて撤収した。ここからは、奉城到着まで騎馬兵だけが護衛となる。だが、岩屋は心配していなかった。彼らは精鋭中の精鋭。選び抜かれたつわものたちだからだ。




