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「その言葉、本当だろうな」
「ええ、私が見た限りではありますが、その通りです」
ただ、岩屋は疑っていた。あれほどまで自らを殺しに来いと言っていた人が、そう簡単に逃げるだろうか。それはない、と岩屋は思う。それでも、目の前の近衛部隊長は信頼することは、ある程度はできるだろう。つまり、奉王将軍が誰にも知らせずに逃げたという可能性と同様に、まだこの直城の中にいるという可能性が存在しているということだ。それを知っているのは、おそらく第一秘書だろう。だが、彼は今は話せる状況ではない。




