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「……これが最後か」
奉楽将軍とともに、岩屋は城門の前に立つ。見上げれば10メートルはあろうかという巨大なものだ。戦車もゆうに3両は横に並んででてくることができるだろう。いままでとは違い、城門の左右に兵の詰所が置かれていたが、いまは無人のようだ。本来であればここで入る者を選ぶのであろうが、今やその機能は喪失していた。
「入るか」
岩屋が奉楽将軍へと聞くと、答えなくてもわかるだろという、そんな表情をしていた。
「まあな」
岩屋が答え、城門の一角に手をかける。そしてさほど力も入れずに、城門を押した。音も立てず、なめらかに城門の右側は開きだす。それを見ていた後ろについていた兵たちが、反対側も押し始め、岩屋たちは直城の中枢へと入ることとなった。




