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岩屋の顔は未だに第一秘書へと向き、奉楽将軍がどんな顔をしているのかは全くわからない。だが、言葉はわかる。人が言葉を発するのは、他人が自分をどう思っているか、それが最大の目的だろう。例に漏れず、岩屋へと奉楽将軍は答えた。
「貴方が、奉執将軍がどう考えているかなんて関係ない。人は打算で動き、自己の利益で動くのを止める。だが、ごく稀にそうではなく、人として動くことがある。貴方の真意は分かった。この奉楽将軍、確かに打算はあるが、貴方とともに動こう」
「ありがとう、これで心置きなく戦える」
岩屋が奉楽将軍へと礼を言う。何に対する礼か、それを考えるよりも先に、奉楽将軍は自らの身を守らなければならない事態へと陥った。




