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「奉執将軍閣下とお見受けする。我はこの槍兵部隊長。ここを通すことは、如何にも簡単。だが、我はこの領域の守護を任された者。そう易々と通すわけにはいかぬ。いざ、一騎打ちを申し込む。尋常に勝負なされよ」
部隊長の言葉は、城壁に乱雑に反響した。それに対して、凛とした、はっきりと誰もが全身で感じることができる声が響く。岩屋の声だ。
「よろしい。その勇気、実によろしい。貴殿に敬意を表することとしよう」
岩屋は近くにいた兵から槍を借りると、その先を部隊長へとむける。
「敬意を表して、僕の全力で貴殿をつぶす」




