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岩屋は考えていた。
「どうしましたか、岩屋さん」
ライタントが、ライタントと岩屋の二人しかいない執務室で、ずっと腕組みしている岩屋に聞いた。それから、うぅん、と唸るばかりで、岩屋は明確な返事をくれようとしない。
「どうしましたか」
目は開いているが、その焦点はどこか宙をさまよっている。しかし、それもつかの間。よしっと声を挙げたかと思うと、ライタントに告げる。
「今すぐ、奉楽将軍と連絡が取れるか」
「ええ、不可能ではないと思いますが」
「では、してもらえないだろうか。すぐに話し合いたいことがある」
はい、といってライタントは何やら電話をかけ始めた。




