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「どうした」
向き直るとすぐにでも撃つかと思っていた年長者に、大隊長補佐が聞く。意外にも、撃たなかったからだ。しかし、それは意外でもなんでもなく、年長者なりの理由があった。
「貴殿には、相応の敬意を払う。それが礼儀と言うものであろうからな。そのうえで、我々は、この砦全体で行われている戦闘行為の即時停止と、貴殿らの武装解除を要求しなければならない」
「できるだけ血は流したくない。できれば、無傷あるいは少ない被害で砦を手に入れたい。そういうことだな」
大隊長補佐が年長者に言った。年長者は、何も言わずに頷いた。




