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「……何が望みだ」
大隊長補佐が言う。年長者は大隊長補佐へと、静かに言い放つ。
「この砦そのものを」
それが何を意味しているのかは、この場にいる全員がしっかりと認識できる。奉執将軍にとっては奉王将軍領への足掛かりになると同時に、初の占領地となるであろう。しかしそれは、奉王将軍にとっては初の陥落地となることである。そんな不名誉なことはしたくない。それが大隊長補佐が真っ先に思ったことであった。
「断る」
そう断言する。撃てるものなら撃ってみろと言わんばかりに、年長者に向かって立った。全身のどこへでも銃弾を撃ち込むことができるだろう、その方向に。




