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僕の異世界復讐話し  作者: 尚文産商堂


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71.

「見つけてまいりました」

 ラグが執務室に帰ってきたのは、30分ほどしてからだった。そのころにはライタントは近くに椅子を持ってきて座っており、ラグはライタントと対面するように、岩屋が左手90度になるように座った。

 ドンという音とともに分厚い本を3人が見やすいところにおかれた机の上に置く。見つけてきたのは、どうやら前の奉執将軍が使った資料集のようだ。かなり古びていて、冊子にまとめられている。カビ臭いにおいが、妙に鼻をついてくる。

「これが、奉王将軍その他将軍との謁見及び奉執将軍領内における儀典集となります。必要なのは、奉執将軍としての正装、叙勲を受けていたら勲章その他も必要となります。ですが……」

「勲章や栄典の類は、これまで受けたことがないな。だから、それらは飛ばさざるを得ないだろう。自ら佩用(はいよう)するという手も存在はするがな」

「とすると、栄典を制定なさるということでありましょうか」

「元々あるのであれば、それを使わない手はない。どうなんだ」

 ラグは儀典集の後半のページまで一気に本を動かす。わずかにホコリが舞い散り、日の光に当たりキラキラと光り輝く。だが、3人は誰もそこへと注目を払うことはない。目に入ったのは、1つの図形だ。

「王玉勲章と呼ばれている勲章です。初代の奉執将軍が自ら定められた最高勲章となっております」

「これを佩用するか」

 ラグは一言つぶやいた。何か栄典があるのであれば、さすがに佩用しなければならないだろう。この王玉勲章と言われているものは、現物が存在しておらず、図から復元する必要があるようだった。それは別途ラグに指示を行い、今回は別のことに集中した。つまり、奉王将軍との謁見のやり方である。


「初めに、使者を立てることになります」

 ラグが、儀典集の冒頭にページを戻し、説明をはじめる。ライタントはさきほどから同じところでラグの説明を聞いている。

 今回の場合は岩屋が誰かを使者を立て、奉王将軍へ伺いをする。もしも謁見が認められると使者は勅書と共に帰ってくることになる。この時点で謁見を行うことはできるのであるが、それから謁見の為の手土産が必要となる。通常であればそれは特産品の布や作物であったり、工芸品であったり、人であったりする。奉王将軍の直属兵として出向させると言うことだ。手土産が気に入ったのであれば、再度勅書が届けられる。今度は奉王将軍の使者がやってくると言うことになるわけだ。これをもって、謁見を行うための前手続きは完了する。

 続いては、謁見の当日までの動きである。勅書2通を岩屋自身が持ち、行列として奉王将軍がいる直城である奉城へと向かうこととなる。これも格式に応じて一定の人数が決められている。奉執将軍の格式では、徒御行列(とぎょぎょうれつ)と呼ばれるものとなっている。この行列を維持したまま、何日もかけて奉城へと向かうのだ。当日までに奉城へつかなければならず、雨も風も雪も関係なく、真夜中であろうが関係なく、当初の予定通りに行列の進行は強行される。

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