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僕の異世界復讐話し  作者: 尚文産商堂


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58.

 夜中。岩屋は寝つけずにいた。真隣りで殺し屋が命を狙いつつ眠っているのだ。寝れるという方がどうかしている。もっとも、今は殺す気はないそうだが。岩屋はそれを嘘だと考えいた。ついさっき、ナイフで最高に殺す気で襲って来たのにもかかわらず、そんなの無いよと言われても信じられないものだ。

 一応、ナイフは捨てているが、確実に別の武器を持っているだろう。カバンは持ち込んでいないものの、身体を直に触らない限り、本当に持っているかは分からない。

 ふと見ると、彼女は毛布を体の下にして、グッスリと眠っている。すぅすぅと寝息を立てている彼女を見ながら、岩屋はぼんやりと考えていた。

「戦争の、理由か……」

 岩屋の大義は他人にとっての悪かもしれない。いや、こうなってしまっては、悪ということになるだろう。それでも、と岩屋は考え直す。悪であろうが善であろうか、それを超越していると。考え、行動した結果だと。もう、これ以上ここに逗留する必要は無いだろう。岩屋は決めると、夜中にもかかわらず、部屋から出た。


 彼女は、しっかりとそれを見ていた。

「出ていっちゃったか」

 ベッドから起き上がると、頭をかきながら、胸元から手のひらぐらいの大きさの機械を取り出した。それに備え付けの紙とペンで何かを書き記し、結びつける。それから窓の方へとよると、思いっきりぶん投げた。

 その機械は、途中で展開し、羽が生える。一回、二回、三回羽ばたいた。そこで力尽きたようで、近くの森の中に落ちる。そこで待ち受けていたのは、見覚えのある男だった。イグノートだ。イグノートの手によって、機械は無事に回収された。

「……そうか」

 イグノートは、機械についていた手紙を見て、それだけいった。そして、森の濃い影へと紛れてしまった。何を考え、何を思っているのか。その表情からは一切伺うことができなかった。

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