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晩御飯後、ゴーンドーレスは部下の少年兵とともに、明日の仕込みをしていた。明日の朝にしていたのでは、間に合わないためだ。少年兵は、疲れたそぶりを見せることなく、ゴーンドーレスの指示によく従っている。
「そういえば……」
玉ねぎを刻んでいる最中に、ゴーンドーレスは思い出したように少年兵に聞いた。
「なんでしょうか」
少年兵は、大きな鍋をかき回すことを止めず、ゴーンドーレスに聞き返した。
「歩哨に立った者が、最近行方不明になっているという話を聞いたんだが」
「僕の周りではまだですけど、友達の友達がいなくなったという話は聞きました」
少年兵がゴーンドーレスに言った。




