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「さて、他に報告することはないかな」
「はい、他に報告する事項はございません」
「そうか。火事騒ぎも収まったものだしな」
いつの間にか静かになって、ほとんど日常ともいえる状況になっている騒がしさだけが、ゆっくりとあたりを覆っている。そのようですね、と参謀長が答えると、それではと参謀長が部屋を辞した。ハタンと扉が閉まると、部屋にはゴーンドーレスだけが残された。
やれやれと思いつつも、部屋に備え付けの木の板でできたベッドにゆっくりと横たわる。あるだけまし、という雰囲気のベッドだが、それでも疲れていたのか。あっという間に眠ってしまった。




