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宿舎は簡単なプレハブのようなものだ。あらかじめある建材を組み合わせるだけで、簡単に建てることができる。ただし、荷重に弱いので3階建てが限度であり、物も多くは建物の中に入れることはできない。それであっても、やはり高い建物ということもあり、狙撃兵が屋上に陣取っていたり、ひときわ警備が厳しいところになっていた。そろそろ午前10時を過ぎようとしているが、朝早くから調理担当として働いていたゴーンドーレスにとって、昼寝に近いものがある。いざとなれば、調理練習と称して何かまかないを作ることも可能だ。そう考えつつ、銃で守っている兵士に身分証を見せ、建物の中に入った。
 




