531/4199
530.
「……まだいかないのか」
大隊長は妻へとたずねる。いまだに後ろで何かを考えているようだ。
「持ち場へ向かうといっても、その持ち場が大隊長のそばですもの。ほかにどこへ行けと?」
「それもそうか。では改めて命じよう」
大隊長がくるりと演台から身を翻して降りる。目の前には妻の姿がある。
「秘書長に対して命ずる。先ほどの牧師、違った、参謀長とともに、作戦司令室へと向かえ。私も後ほど行く」
「命令、確かに受け取りました」
妻であり、秘書長である彼女へと命令をすると、すぐに敬礼し、先ほどの参謀長の後を追って教会から出て行った。




