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この村の名前は、フエロージュ村という。50年前には510人が住んでいたようだが、この周囲の森林地帯の影響で街道から外れた。そのため人は徐々に流出し、10年前に0人となったとされる。奉楽将軍は、この村を3年かけて再整備し、あたかも未だに村が続いているように見せかけた。
岩屋からの命によって、航空部隊のうち1機が、村の上空を回り、偵察を実施した。
「この村はなんかおかしいな……」
――どうしたんだ
スピーカーから、陸上にいる通信係の声が聞こえる。機体は1人乗りで、機長だけしか乗れない。そのため、陸上との通信が、生命線となっていた。
 




