497/4168
496.
「よろしいでしょうか」
「なんだ」
爆撃隊長の一人が手を挙げて、発言を求める。シャルは、すぐにその人を指名し、発言を許可した。
「今回の航空攻撃については、不均衡に二分することを提案します」
「それはなぜだ」
シャルは、その爆撃隊長にさらに発言を促す。
「奉信将軍は山岳地帯がメインです。それゆえに、省城も山岳地帯にあり、陸軍施設も山がちなところにあります。これでは、我が方の軍が動いても、山から狙い撃ちにされることが関の山でしょう。一方の奉楽将軍は平地にあります。河もなく、しいて言えば森がちなところです。そのため、森を焼き尽くすことが求められるでしょう」
「ふむ、なるほどな」
シャルは短く言った。




