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翌朝午前8時半。岩屋はすでに執務室にいた。朝一番と岩屋がいったので、パイースもすでに執務室にいる。ライタントは、岩屋に陪席し、岩屋のすぐ横に立っている。
「では、その提案書を聞いてみようか」
「はい」
パイースがこういうプレゼンをするのは、ここの研究室に入るときの試験以来だ。だからといって、がちがちに緊張しているわけではない。あくまでも自然体で、今まで極秘にしていた研究の発表を始めた。もしもこれで岩屋が気に入れば、他の面々の前での発表を行い、そこで国家プロジェクトとして実行するかどうかを考えることになっている。
ただ、最後は岩屋が決定するという仕組みではあるが。




