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「ライタントさん。どうした。事故か事件でも起きたか」
「いえ、そうではないのですが、聞いたところによれば、本日は何も召し上がっていないとのことでしたので、どうなされたのかと思い、訪ねてみました」
「ああ、ちょうど夜食をとりに食堂へと行こうとしていたところだ。どうだ、ついてくるか」
「お供いたします」
ライタントが答えると、すぐに岩屋は動く。執務室から出ると、先ほどまで書いていた便箋を見せた。
「これは?」
「新たな国土開発計画だ。高速鉄道を作ろうと思う」
聞いたことがないようで、ライタントは首を傾いでいた。




