僕の異世界復讐話し

459.

　いつも独学と答えているので、副室長も、さほど突っ込んで尋ねようとしない。そうですか、とだけ答えると、そのまま副室長は話し続けた。

「現在、多細胞の複製に取り組んでおります。多細胞生物と言っても、原始的なもので、タルイベシウムの作成に取り組んでおります」

　タルイベシウムとは、岩屋が基た世界では、シアワセモと呼ばれていた、最少の多細胞生物だ。実験を繰り返すうちに、何かしらの達成が得られるかもしれないという岩屋の方針によって、潤沢な資金が投入されている。