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44.

「だが、予算がひっ迫している以上、どうにかする必要がある」

 ライタントが言う。予算はほとんど青天井で消費されているのが現状だ。特に、奉執将軍領の治安維持の費用が、全体の3割にも達していて、ぶっちぎりで支出額の1位だ。それ以外にも、建物の修繕費用や、役人に支払う給金も、かなりの金額を支払っている。喫緊の課題として、予算の確保は議題に上がり続けていた。

 一方で、支払う事柄はどんどん増えている。それは役人の数が増えているということと、公金支出の範囲を広げ続けたということが原因だ。これらのことは、ムエルーテが直接の原因である。国民の反乱を抑えるという名目で、バラマキを続けたからだ。だが、必要なところにも配っているため、その他命令として行われたために、これらの政策を止めることができなかった。そのため、支出は今まで増える一方だったわけだ。

 その動きが、ムエルーテが殺されたことによって、大きく変わった。引き締めを図る岩屋の登場だ。それによって、これまでの支出が全て見直されることとなる。バラマキをされて利益を受けていた人たちは、それに対して怒りを抱いていた。その代表者たる人が、ラグである。第一部下という、秘書と副官を兼ねていたラグは、バラマキの命令を受けて、自らの私腹を肥やすことに終始した。いずれは殺されることを見越してである。そのため、ラグの私財は、どの金持ちよりも多いと噂されていた。ただ、それは噂にすぎない。真実は、ラグの胸の内に込められたままだ。

「ならば、これを削りましょう」

 ラグが提案したのは、軍事支出だ。ここを削ることは、ライタントも当然と考えていたので、同意の意味を込めてうなづいた。

「今は全体の3割、これを1割にまで削ると言うことは可能では」

「さすがに、急激に削るのはよくない。2割ぐらいだな。浮いたお金は教育へと回す」

 ライタントはラグに同意しつつも、金額を上下させる。これによって、最終的に削る金額を決めるのだ。浮いた金額については、税の減免分や、先ほどライタントが言った通りに教育へと回すということに、二人は決めた。そして、最後に決定ということで、班長を全員集めてから、閣議という名前の会議を開き、証人を受けた。

 これによって、予算の削減は正式に決まった。それと同時に、一定の税金についての引き下げと、教育予算の拡充も、失効されることとなった。

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