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「昨日の夜、私たちが寝ようとしてた時に扉にわなを仕掛けたんです」
「ワナを。それでどうしたんだ」
テッセラは言われてドアを確認した。確かに廊下側には何もなかったが、部屋の中には簡単な鍵なようなものと、ドアが開いたら音が鳴るように簡易の鳴子が用意されていた。しかしそれは今は床に落ちていて、括られていた紐だけが往時を偲ばせている。
「彼はこの罠を意図も容易く突破して、そして私たちの枕元に立っていたのです」
泥のようなにおいは、その彼の残り香ということなのだろう。
「だが君らを傷つける意図はなかったようだな」
それほどの凄腕であれば、ベンターナもペロースも簡単に殺すことができただろう。だが、彼はそれをしなかった。どうしてだ、とテッセラは尋ねた。




