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「しかし、貴方でよかった。まだわかっている間柄ですからね」
老人は階段を上がりながら岩屋へと話しかけてくる。
「こちらとしても、完全な知らない人との付き合いよりも、わずかでも顔なじみの方が幾分かはましですから」
ここです、と岩屋の言葉に笑いながら答えつつ、老人は扉の前に立った。
「ようこそ、会議連盟本部へ」
本部というからにはたくさんの人でもいるのかと思いきや、ほんの数人ぐらいしかいなかった。ただ、一番気になったのは部屋の薄暗さでも、うずたかく積まれた何かのものらでもなかった。
「……これは焼き菓子の香り?」
真っ先に岩屋が聞いたのは、トントュムを焼いた時の、あの香りがしっかりとただよってきたせいだった。




