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「彼には別に仕事を与えることにするので、あなたたちには正式に特務機関に勤めてもらいましょう」
「その、特務機関とは?」
岩屋は改めて話を聞いた。
「このソーリスという会社は表向きが輸送会社として、大企業の一角として知られているのはすでに分かっていると思うわ。だからそのあたりの説明は省くことにします。ただ、その裏、わが社は各地にいる反政府組織に対して物資や武器といったものの供給をしているの。それをしているのが特務機関というわけ」
これに関してはさすがに証拠を残したくないからか、何か紙を持ってくるということはなく、すべて口頭での説明になっていた。