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「監視装置、か」
「はい。別れてからあの茶店で待機していました。しかしながら、スパイ容疑をかけられ、釈放と引き換えにこれを付けられました。ただ、ここではアクセサリーとして認識されるようで、さほど気にされたことはありません」
「なるほどな。音声は届いているのか?」
「少なくとも電波の類は出ていません。確認しました」
アルダースは岩屋へと答える。
「中にデータの類が貯められている可能性は?」
「既知の方式による接続用のポートはありません。非有線による方式であれば話は違いますが……」
現状、この領域でそのような技術があるという証拠はない。しかし岩屋はそれでも用心をしている。




