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1か月ほどかけて、ふたたび山へと戻ってくる。ただ、今となってはどうしてかはしらないが、山賊の類は誰もおらず、朽ちていくだけのバリケードが道を通さないように残されていた。
「ここにいた人らはどこに行ったんだろうな」
岩屋は輸送隊長へ話しかける。行きと同じように、輸送隊長を先頭として4つの荷車が縦に等間隔に並んでいる。その先頭の荷車の横に岩屋はいた。
「さあな、行きはいつもいるメンツが、帰りどうなっているかなんて興味がないからな」
輸送隊長は言いながらも、それでも周りを見回していた。




