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410.

「なんでしょうか」

 すぐそばにあるゴアフラの執務部屋で、岩屋とゴアフラの二人きりの密談がはじまった。誰にも聞かれたくないようで、岩屋は、周囲に人がいないことを確認してから扉を閉める。

「ヒカイロネから、話は聞いている」

「……ああ、そのことですか」

 フッと、寂しそうな顔つきになる。嫌だという雰囲気ではない。ただ、避けたい話題の一つであることは確かのようだ。それでも岩屋は任命権者として、上司として話を聞いておく必要があった。何か事が起こってからでは遅いからだ。

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