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「ちょっと、この袋についてお知らせしたいので。どこにお勤めですか?」
「ソーリスです」
「ああ、あの運送業の。大変お世話になっております」
にこやかに反応してくれながら、男性が再びカウンターの天板を外して内側へと戻っていく。どうやら袋の中身の確認を終えたようだ。金貨、銀貨、銅貨をまとめて同じ袋にしまいなおして、その袋ごと戻ったようだ
「なら、この街にあるソーリスの支社にお知らせしておきますね。官憲にはこちらから伝えておきますので」
「お願いします」
「お名前だけ、伺っても?」
言いながらよいしょっと黒板のようなものをカウンターの裏側から取り出した。そこにメモをしていく形になっているらしい。