4100/4161
4099.
ゴチン、と何か固いもの同士がぶつかる音と同時に、男2人はその場で地面に沈んでいく。
「なんだ、この程度なんだ」
死体蹴りのようにペロースはゲシゲシと複数回倒れこんでいる男の腹をける。ゲホゲホとむせる音が聞こえるが、起き上がってくることはない。
「あとはあんただけね。さあ、どうする?」
リーダーの男を2人は睨みつける。
「このまま官憲にあんたらを突き出しても構わないのよ。あたしらはね。ただ、ここは穏便にコトを収めましょう」
ベンターナがにこっと微笑んで声をかけるが、リーダーは懐から袋を一つ地面にたたきつけるようにしてペロース達に渡した。
「ど、どうか、これで勘弁を。おい、お前ら行くぞ」
完全におびえた声で、リーダーは仲間を連れていく。いてぇよ、とか、泣いているような表情の男もいるが、どちらにせよ彼らは路地裏へと消えていった。