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足音は威嚇の意味があった。ともかく相手がひるみ男らがさらに足を止めてしまう。そこでペロースはまず一番近いところにいた男へと向かう。いわゆるタンクトップと短パン、素足にサンダルのような履物を履いているやつだ。姿勢を低く、腰あたりに抱き着くかのようにしながらペロースが突進をする。
「ほぅらっ」
追突する勢いのまま、くの字に曲がっている男の体を、建物の壁にしたたかにぶつける。直前には腰回りを押さえていた腕を引っ込めてペロース自身には一切影響がないようにすることを忘れない。