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ゴアフラは研究室内を歩きまわり一つ一つ岩屋に見せながら、説明を続けた。
「旅客航空機班は、すでにご存じの通り、超長距離飛行を実現しております。低高度であれば、どうにか飛べるようなエンジンの吸気性能ですが。これは他機関と協議を行って、さらに改善していきます」
「なるほどなるほど」
説明に相槌を打ちつつ、岩屋がゴアフラの話に耳を傾ける。その間、ゴアフラに研究員の一人が声をかけた。
「ゴアフラ部長、この設計図どう思われますか」
「おう、見せてみな」
ゴアフラはその若い研究員から製図したての設計図をみせてもらう。その後ろから岩屋も覗きこんでいた。




