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「あー、それは銀貨1枚ですね」
「はいはい、これでいいかしらね」
ペロースは懐から皮袋を取り出して中から銀貨を1枚出す。それを見せつけるようにしながらも、ペロースはさらに店番に話しかけた。
「でも、これって中に混じり物が入っているわよね。なら、もうちょっと値引いてくれてもいいんじゃないかな」
「えー、どうでしょうかね」
言いながらもさらにペロースは畳みかけていく。
「それにほら、ここにしっかりと傷がついているでしょ。これだと銀貨1枚は少しあれじゃないかしら」
いいながらさらに袋から硬貨を取り出す。銅貨が5枚だ。