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「明日ぐらいの予定です」
ベンターナは素直に答える。
「では、また明日も来るかい?明日は明日で別の焼き菓子を置く予定なんだけどね」
明日は何か予定があると決まってあわけではない。ただ、岩屋たちのこともわからない以上、ここで来ると断言することは二人にはできなかった。
「明日は明日の風が吹く、と私たちの故郷では言います。明日のことは明日にならないとわからないっていうことです。なのでもしも明日も来れるようならば、また来ましょう」
ベンターナが焼き菓子を食べ終わりながら言った。