4046/4161
4045.
店の中は少し暗い。ただ外から店が開いているのは、中に店主がいて、お客もいることからわかる。少なくともただ薄暗いだけだということのようだ。ドアに手をかけるまでもなく、45度くらい開いていた。中からわずかに冷たい空気が流れてくる。
「……いらっしゃい」
わずかに機嫌がいいと見える男の店主らしき人物が、二人の前の客の応対をしながら声をかけてきてくれた。
「そこで待っていてくださいね」
そう続ける。そこで二人は窓際にある、胸ぐらいのカウンターのところで待つことにした。