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「いや、それ以上はおっしゃらないでいただきたい」
頭を下げようともしていた老人に、岩屋は優しく話しかける。
「おお、では……」
「そこまで調べておられるのでしたら、我々の目的についてもすでにご存じのことかと思いますが、いかがでしょうか」
岩屋は老人へと尋ねてみる。老人はわずかに考えてから岩屋へと質問の回答を述べた。
「確か、さる人物の暗殺でしたかね。今は都督になっている人物ですね。ここではウェタス・カナチスと名乗っています」
「あいつ、そんな名前を名乗っているのか」
元護王将軍の本名を岩屋は知らない。だから、これが本名とは信じていない。それでも名前が知れたのは第一歩だ。そう考えることにした。




