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「そしてこうしてあなたたちにお会いしようと考えたのは、あの技術が原因の一つです」
「と、いいますと」
老人は周りに何もない、歩道の真ん中で立ち止まる。風が少しずつ周りの熱気を奪い取りつつ、それでもなお太陽からの暑さは岩屋たちの周りにとどまらせている。
「どうか、我々にあの技術をお貸ししていただきたい。あの技術は、政府軍のごくごく少数しか知らないものに匹敵、いやそれ以上の力があるものかと思います。どうか我々の大義のために……」
しかし、それ以上の言葉は岩屋が手で制止した。




