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「それならば、我々のこともしばらく前から見ていたのでは」
「ええ、ソーリスの社員となったこと、彼らには、確か『ダアト独立部隊』と名乗りあなたが長であると伝えていること。あの山の向こうから来たということも、知っています」
そこからか、と岩屋は少し考えた。
「しかし、どうして」
「あの村はあらかじめ洞窟の近くの見張り用として作ったものです。我々の手の者が、そこから出てきた者らが最初に遭遇するような位置に、という内容で作成しました」
相変わらずにこやかで話し続ける老人に対して、すこしずつ周りの温度が下がってきたかのように思う岩屋たちだった。




