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「失礼ながらあなたはどちら様でしょうか」
スカイハルは店から出ながら尋ねる。もう昼も回って、太陽もまぶしい。それでもこの人は、しっかりとスーツを着込んで、見慣れない帽子までかぶっている。元の世界ならシルクハットだとでもいうような風貌だが、それにしては派手な色をしていた。手には先端が握りやすいようにU字になっている木製のきれいに成形されている杖までついている。
「これは失念をしておりました」
杖を突いていない方の左手を使って、帽子を外し、胸の前に持ってくる。
「当方は、会議連盟の使者の者です。あなた方を見込んでお話に参りました」