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「……次であった時は、これじゃ済まんからな」
岩屋は言いながらナイフを近くにあった木箱へ突き刺した。
「行くぞ、ここにはもう用はない」
岩屋が歩き出すと、羽交い絞めにしていたスカイハルが敵をそのあたりに適当に投げ捨て、岩屋について立ち上がっていく。二人が店先まで来た頃に、そこにもう一人すでに誰かが来たことをようやく理解した。
「ご無礼を許していただきたい。彼らは我々の仲間ではないということを、どうか理解をしていただきたい」
初老の男性で身なりからして貴族だといわれてもおかしくはない人だった。




