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さすがに舌をかみ切るようなことにはならなかった。ただ振動は顎から骨や筋肉を通して脳を揺らす。効果はわずかな差で認識をされ始めていった。掌底によって揺らされた脳は、意識という壁で最初は認識されない。だが、それから少しずつ神経系を動かしていき、電気信号に矛盾を引き起こしていく。それが脳の同時多発的に起こるのだ。これでどうなるのか、ということについては何も言わなくてもわかることだろう。
何も声も出すことができず、その場で一人を倒した。という結果が全員の目の前に現れるまで10秒と掛からなかった。