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4005.
音は背中から通りはじめ、頭の上を通り、そのまま右と左に分かれていく。右に鉄柱が通り過ぎていくのを岩屋は視界の外で知覚した。ただ感じるだけで、それだけで十分だった。
「やろっ」
わずかな声、それを頼りに岩屋は一切見ることなくしゃがんだ姿勢から、勢いよく半身をひねりながら相手のほうへと体を向けなおす。ただ相手の顔は恐怖と興奮が入り混じった表情をしている。相手がここまで強いというのは想定外だったのかもしれない。だが、何かを正すために与えられた時間はない。
音は背中から通りはじめ、頭の上を通り、そのまま右と左に分かれていく。右に鉄柱が通り過ぎていくのを岩屋は視界の外で知覚した。ただ感じるだけで、それだけで十分だった。
「やろっ」
わずかな声、それを頼りに岩屋は一切見ることなくしゃがんだ姿勢から、勢いよく半身をひねりながら相手のほうへと体を向けなおす。ただ相手の顔は恐怖と興奮が入り混じった表情をしている。相手がここまで強いというのは想定外だったのかもしれない。だが、何かを正すために与えられた時間はない。
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