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「それでも限界はあります」
店員が残念そうに答えた。少なからず色々と考えているのは間違いないだろう。
「限界は理解しているのだな。なら我々の方にも限界があるのは同じことだと思わんかね」
岩屋は言いながら足を組む。ジッと店員を見ながらも周囲の雰囲気が変わったことに気づいた。
「それで、君のお仲間については、どう説明をするんだ。君が例の符号を知っていたからこそ、こうして話をしているわけなのだが、この部屋の外にいる人らはどうなんだ」
店員は岩屋の指摘に一瞬ビクッと体を震わせる。気づかれないと思っていたのだろう。だが観念したかのように、座っている木箱の側面を4回叩いた。すると、隠し扉から4人ほど、私服のままで人が現れた。




